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地盤改良とCO2

地盤改良工事とCO2(二酸化炭素)が関係するとは思いもしませんでした。

いつも地盤調査と地盤改良を依頼している会社さんからの、新しい地盤改良工法の案内リーフレットです。

まず、地盤改良についてですが、

住宅建築の際に地盤が強くないと、建物の重さで地面が押されてしまい、家が傾いてしまう危険性があります。

工事を着工する前には必ず地盤調査を行い、地耐力(地盤の強さ)を測定し、地盤が強くない場合は地盤を強化する工事が必要です。建物の基礎工事の前に行います。

木造住宅の場合は、一般的に湿式柱状改良工事を行います。

柱状機(大きなドリルのような機械)で直径60センチ程度の穴を地面と垂直方向に掘り進めながら、地中で土とセメント系の固形材を攪拌します。それを良好な地盤まで到達させ、セメントの杭を造ることにより、建物の自沈(家が傾いたり、沈むこと)を防ぎます。

その工事とCO2(二酸化炭素)がどのように関係しているのか? 添付のリーフレットをきっかけに、少し勉強しました。

問題なのは、地盤を固めるのに使用するセメント系固形材です。

地盤改良工事は、一般的な2階建て住宅で、深さ3mから10mの穴を35本程掘ります。その穴にセメント系固形材を流し込むので、かなりの量のセメントを使用することになります。

セメントは石灰石(炭酸カルシウム)からCO2を取り除いた生石灰(酸化カルシウム)が主原料です。CO2を取り除くために、石灰石を1300℃以上の高温で加熱しなければなりません。加熱には石油などの化石燃料の燃焼が必要で、CO2が発生してしまいます。そして、生成過程で取り除かれたCO2も空気中に放出されます。

このように、セメントの生成過程で多くのCO2が発生してしまいます。少し古いデータになりますが、2003年度のセメント業界のCO2排出量は全産業の排出量の5%にもなります。

石灰石は生物起源によるものと、科学的沈殿でできたものの2種類あり、生物起源はサンゴや貝類が沈殿してできたもの、科学的沈殿は海水中の炭酸カルシウムが沈殿してできたものです。

石灰石も石油や石炭と同じで、長い年月をかけて空気中のCO2を取り込んできました。

特に近年、そのCO2が一気に大気中に放出され、地球温暖化の原因になっていると言われています。

地盤改良工事だけではなく、基礎工事も大量のセメントを使います。家造りに携わる人間からすると、少し考えさせられる事実です。

セメント系の材料を使用しないと、家造りができないのも現実です。弊社は木造だけでなく、鉄骨造のマンションも建築します。基礎工事には大量のセメントを使用しています。

できることは、このような現実を認識しながら、少しでも地球環境にやさしい材料、工法を推奨、採用していくことだと考えています。

添付のウッディフォース工法、是非検討したいです。

 

 

 

 

 

 

 

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